前回のページでは、製造業におけるデータ活用とは何か、データ分析でどういうことができるのかをご紹介しました。
製造業でデータ活用をすることで、生産性向上やコスト削減、品質管理の強化が可能になります。
しかし、ただデータを活用するために無作為にデータを収集して大量にデータを分析しても、必要なポイントを押さえなければ、データ活用によって成果を出すことができません。確実にデータを活かすためにも、迫りくる課題を一つ一つ乗り越える必要があります。
このページでは、製造業におけるデータ分析の際に直面する2つの主要な課題と、それらを乗り越えるための具体的な解決策について詳しく解説していきます。
この記事の構成
- 製造業でのデータ活用とは?データ分析でできる4つのこと
- 製造業データ分析の2つの課題と解決策(本ページ)
- 製造業で活用できる5種類のデータとは?
- 製造業のデータ活用事例7選と成功の4ステップ
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製造業のデータ活用の2つの課題と対応策
製造業ではデータ活用が進む一方で、顧客データの不足や社内でのデータ分断が大きな課題となっています。
このセクションでは、それぞれの課題を詳しく見ていきます。
ユーザーのデータを取得しづらいこと
製造業では、ユーザーと直接の接点が少ないため、ユーザーのデータを取得するのが難しいという問題があります。
多くのメーカーでは、製品が卸売業者や小売業者を通じて販売されるため、メーカーが実際に製品を使うユーザーと直接取引する機会が少ないのが現状です。この商流の中で、製品がユーザーの手に届くまでに複数の業者が介在します。結果、メーカー自身がユーザーの購買プロセスやニーズを詳細に把握することが難しくなっています。
ユーザーデータを十分に取得できないと、製品開発やマーケティングにおいてニーズに応じた適切な戦略を立てることが難しくなります。その結果、顧客満足度の向上が停滞し、新製品の開発や既存製品の改善が遅れがちになります。
さらに、時代の変化に迅速に対応できないことが企業の競争力低下につながるリスクもあります。
対応策
ユーザーとの接点が少ないため、製品開発やマーケティング戦略に必要な情報を十分に取得できないことが大きな課題です。
状況を改善するには、まずは手元にあるユーザーデータを可視化して現状を把握することが重要です。現在のデータから何が明らかになるのかを整理し、どの情報が不足しているのかを明確にすることで、次に収集すべきデータを特定することができます。
このためには、既存のユーザー接点を有効に活用し、アンケートやフィードバックを収集する場を増やすことが効果的です。例えば、会員制のサイトでキャンペーンを行ったり、工場見学の機会を提供するなど、ユーザーとの接触機会を拡大する方法が考えられます。
さらに、ユーザーとのコミュニケーション履歴を一元管理するシステムの導入が有効です。です。CRMシステムを活用すれば、顧客の行動履歴や問い合わせ内容をリアルタイムで把握することが可能になります。
これによって、フォローアップのタイミングを最適化し、顧客との関係をより深めることができるようになります。また、チャットボットやFAQの導入によって、サポートコストの削減も実現できます。
部署が縦割りでデータ共有がされていないこと
多くの企業では、データを各部署で個別管理しているため、包括的なデータの分析ができず、効果的なデータ活用ができない現状があります。
各部門が自分たちの業務に応じて独自にデータを管理しており、部門間での共有や連携が不十分なケースが多いです。これにより、各部署で蓄積されたデータが統合されることなく、必要な情報が他部門で活用されない状況が続いています。
加えて、部門ごとに異なるシステムを使用している場合、データのフォーマットや管理基準が統一されておらず、全社的な分析が困難になることも一因です。
データが分断されていることで、全体的な業務効率や戦略立案に影響を及ぼします。例えば、製造部門で得た品質データや顧客フィードバックがマーケティングや営業部門に共有されないと、製品改善や販売戦略に十分活かすことができません。
これにより、部門ごとの最適化は進むものの、企業全体の成長や競争力強化が阻害されることになります。
対応策
部署ごとにデータが分断されていると、全社的な顧客理解やデータ活用が進まず、業務効率が低下します。
この問題を解決するには、まず各部署や商品カテゴリが管理しているデータを一元管理するシステムの導入が必要です。これにより、部署間でのデータ共有がスムーズになり、顧客情報を一貫して把握できるようになります。
例えば、マーケティングや開発部門が同じデータを基に製品開発やキャンペーンを展開することで、効率的な業務運営が可能になります。また、各部門がデータを活用する際の連携も円滑に進むでしょう。
さらに、集約されたデータをもとに、部署・チーム間でもデータの連携を強化することで、キャンペーンやプロモーションの効果を最大化できます。商品Aで効果があった施策が他の商品でも有効かどうかをデータで確認し、意思決定を行うことが可能です。
このように、データを基にした分析と施策の展開が進むことで、より精度の高いマーケティングが実現し、全体の業績向上に繋がります。
ここまで、製造業のデータ活用で課題になりやすい2つのポイントと対応策をご紹介しました。
次のページでは、特に製造業で活用できる5種類のデータについて解説します。これらを理解していないと、データ活用のインフラを整備しても成果が出せず、失敗に終わってしまう可能性があります。次の記事に読み進めて、データ活用のポイントを押さえましょう。