前回までのページでは、製造業におけるデータ活用の主な2つの課題と解決策をご紹介しました。
特に課題になりやすいのは、顧客データの取得が難しいことと、社内でのデータ分断の2点です。これらの課題を解決できれば、より効率的な業務運営と製品開発が可能になります。
今回の記事では、その効率的な業務運営と製品開発で欠かせない、製造業で特に重要な5種類のデータについて詳しく解説します。
この記事の構成
- 製造業でのデータ活用とは?データ分析でできる4つのこと
- 製造業データ分析の2つの課題と解決策
- 製造業で活用できる5種類のデータとは?(本ページ)
- 製造業のデータ活用事例7選と成功の4ステップ
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製造業で活用できる5種類のデータ
業界によって使用できるデータの種類や数が異なります。製造業では、主に以下のデータを活用することが多いです。
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生産データ
生産データとは、製造プロセス全般に関する情報を指し、生産効率の向上やコスト削減に役立ちます。
これには、生産計画、作業指示、機械の稼働時間、材料使用量、エネルギー消費量、労働時間などが含まれます。これらは工場内の各プロセスで生成されるデータです。
生産データは主に、IoTセンサーやPLCなどの自動化システムを使ってリアルタイムで収集されます。また、従業員による手動の作業報告やERPシステムを利用してもデータを管理することができます。
これらのデータは、主に生産計画の最適化、品質の向上、コスト削減を目的に活用されます。無駄を減らし、効率的な製造プロセスを確立することで、企業の競争力を高めるために重要なデータです。
品質データ
品質データは、製品やサービスの品質を管理するために欠かせない情報です。
具体的には、製品の寸法や重量、材料の特性、仕上げ状態、各種の検査結果や試験データがその例に挙げられます。こうしたデータを用いて、製品が顧客の要求を満たしているかを確認することができます。
データの収集方法も多様です。例えば、キャリパーやマイクロメーター、三次元測定機を使って製品の寸法を測定することができますし、引張試験機や硬度計を用いて材料の特性を評価することも一般的です。
また、視覚的な確認には目視検査やカメラを活用し、外観の異常や不良を見つけることが可能です。
このデータの活用目的の例として、不良品を出荷前に検出して顧客に提供する品質の確保が挙げられます。
また、集めたデータを分析することで、製造プロセスの改善点を見つけ出し、品質をさらに向上させることもできます。加えて、製品に問題が発生した場合、その原因を特定し、迅速に対策を講じるための手段としても重要な役割を担っています。
物流データ
物流データは、物流に関連するすべてのプロセスで収集される情報で、効率化やコスト削減に役立ちます。
例えば、在庫情報や配送状況、荷役作業の進捗などが物流データに含まれます。これらは、商品の保管状況や配送の遅れ、作業効率を評価するための重要な指標です。
物流データは、倉庫管理システム(WMS)や配送管理システム(TMS)を通じて自動的に収集されることが多いです。また、バーコードやRFIDタグを用いることで、リアルタイムに在庫や商品の追跡が可能になります。
このデータは、在庫の最適化や配送効率の改善に利用されます。例えば、在庫を適切に管理することで保管コストを削減し、配送の遅延を防ぐことで顧客満足度を向上させることができます。
保全データ
保全データは、工場設備や機械の安定稼働を維持するために収集される情報です。
このデータは、機械の状態をモニタリングし、異常が発生する前に予防措置を取る際に活用できます。
機械が故障して設備停止や生産ラインが止まると、製造業にとって大きなコスト負担となります。そのため、機械が故障する前に補修タイミングを理解して対処することで、大きなコスト削減になります。
保全データの収集は、主にIoTセンサーやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)を通じて行われます。これらの装置は、温度、振動、電流などの運転パラメータを監視し、定期的に分析と可視化を行うことで、機械保全が必要なタイミングを抽出することができます。
その結果、故障リスクを最小化し、長期的な生産効率の向上や保全コストの削減を実現可能です。
顧客データ
顧客データは、企業が顧客の行動やニーズを把握するための重要な情報です。例えば、顧客の名前や連絡先、購買履歴、製品に対するフィードバック、問い合わせ内容などが含まれます。また、オンライン上での行動履歴やアンケートの回答も役立つ情報です。
これらのデータをうまく活用することで、顧客のニーズや行動パターンをより正確に把握し、適切な対応が可能になります。
顧客データは、ウェブフォームやアンケート、メールや電話でのやり取りなどを通じて収集されます。
さらに、CRM(顧客関係管理)ツールを導入すれば、複数のチャネルで得たデータを一元的に管理でき、より効率的にデータを活用することができます。これにより、統合された情報を基に一貫した顧客対応が可能となります。
これらのデータを分析することで、パーソナライズされたプロモーションや製品提案が可能になります。例えば、購買履歴をもとにした提案やフィードバックを反映した商品改善が挙げられます。
このようにデータを効果的に活用することで、顧客満足度の向上や売上の拡大につなげることができ、顧客ロイヤルティも強化されます
ここまで、製造業でデータを活用することでできること、ぶつかるであろう課題、扱えるデータの種類をご紹介しました。
次の記事では、実際に製造業でのデータ活用の例をご紹介します。テクトラグループが過去に支援した、具体的な事例もご紹介しているので、ぜひ次のページもご一読ください。