Microsoft Dynamics 365 Business Central で実現! サブスクリプション請求

Microsoft Dynamics 365 Business Central では、サブスクリプション契約についての請求処理を効率化する機能が用意され強化されて来ました。これらの機能について概略を紹介していきます。

まずは、サブスクリプション請求の元になる契約やサブスクリプション請求における課題について、整理いたします。

サブスクリプション請求とは

サブスクリプション契約とは、消費者が料金を支払うことで一定期間商品やサービスを利用できる権利を得られる契約形態のことです。

過去にはハードウェア/ソフトウェアの保守や賃貸契約の家賃が主でしたが、現在は家具のレンタル、車のリースや食材の定期配送など、多くの領域でサブスクリプション契約が普及し増加して来ております。

サブスクリプションを略した「サブスク」という言葉も盛んに使われるようになっています。サブスクリプション契約に基づく請求がサブスクリプション請求です。

サブスクリプション請求の課題

サブスクリプション請求には次のような課題があります。

・請求における繰返し業務処理
・契約条件の多様化への対応

請求における繰返し業務処理

サブスクリプションでは、同一の顧客に対して定期的に請求書を発行する業務が発生します。例えば、毎月の請求で、1年間サービスを提供した場合だけでも12回請求・課金を行うことになります。

サブスクリプションは初期費用の負担も少ないため、新規顧客も獲得しやすい反面、顧客の増加は、毎月対応すべき請求件数の増加を意味します。

契約条件の多様化への対応

顧客ごとの締め日、請求サイクル(単月請求、年間一括請求など)、契約更新のタイミング、課金体系(定額課金、従量課金、マイルストーン課金など)など多様な契約条件への対応が必要であり、請求管理は複雑になります。

Microsoft Dynamics 365 Business Central のサブスクリプション機能

Microsoft Dynamics 365 Business Central では、サブスクリプション請求に対して、どのような機能が用意されているかを見てみましょう。

Microsoft Dynamics 365 Business Centralの機能概要

Microsoft Dynamics 365 Business Centralのサブスクリプション請求管理機能では、次の業務機能が提供されます。

・品目やサービスの定期請求に関する契約の管理
・定期請求における請求スケジュールの管理
・使用量やマイルストーンに基づく課金方式への対応
・自動請求の処理
・請求スケジュールに基づいた収益認識

Microsoft Dynamics 365 Business Central 機能利用の効果

サブスクリプション課金を使用してサービスの定期的な請求を管理すると、エラーの原因が最小限に抑えられ、最初の販売見積から定期的な請求までのプロセスに透明性がもたらされます。

すべての情報が 一箇所に保存されるため、契約管理の概要を常に把握できます。同時に、プロセスを簡素化および自動化できるため、手作業の労力が軽減されます。

Microsoft Dynamics 365 Business Central機能の利用イメージ

Microsoft Dynamics 365 Business Central のサブスクリプション請求管理機能を使用すれば、具体的にどのように請求処理が行えるかを見ていきましょう。

サブスクリプション契約の登録

Microsoft Dynamics 365 Business Central では、得意先とのサブスクリプション契約および仕入先とのサブスクリプション契約のいずれも管理することが可能です。

どちらも内容は同じですので、得意先とのサブスクリプション契約について記載します。

「得意先サブスクリプション契約」の一般タブの画面は以下の通りです。得意先、契約タイプを入力します。

「請求詳細」「出荷および課金」タブで、通貨、支払条件や出荷先、課金先(請求先)を選択入力します。

ライン部にサブスクリプション契約の明細を登録します。「タイプ」「数量」「計算基準額」「計算基準率」「課金基準期間」「課金頻度」を入力します。下記の例は、毎月課金で3か月の期間のサポートです。

請求の作成

請求を行う場合は、「得意先サブスクリプション契約」画面の「ホーム」タブの「契約請求を作成」を選択します。

作成された販売請求は、以下の通りです。1か月分の販売請求データです。

個別のサブスクリプション契約ごとに請求する場合は、上記のように契約から請求を作成しますが、複数の契約からの請求をまとめて一括して作成したい場合は、「繰返課金」画面を使用します。

「繰返課金」画面では、課金テンプレート、請求日、請求終了日を入力して「課金提案を作成」を選択します。請求期間が合致するサブスクリプション契約が明細行に展開されます。

下記の例は、対象の契約が1件しかなかった場合の例ですが、複数が対象になる場合は複数行が展開されます。

請求を行いたい契約行を選択して後「伝票を作成」を選択することで、請求が作成できます。

契約の延長

サブスクリプション契約が延長される場合は、「得意先サブスクリプション契約」あるいは「仕入先サブスクリプション契約」画面の「ホーム」タブの「契約を延長」を選択して「サブスクリプション契約を延長」画面を表示して、「OK」を選択するだけで延長できます。下記は、得意先サブスクリプション契約の延長を行う画面例です。

上述のようにDynamics 365 Business Central を使用すれば、サブスクリプション請求機能を利用でき、効率化が図れるのです。 

ERPの導入をご計画の際は、是非、Dynamics 365 Business Centralをご検討ください。

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