前回の記事までは、データ活用を推進する人材の立て方と、データを活用する方法と分野のご紹介をしてきました。
しかし、データを活用するには、業務の中でデータを自然に使えるような仕組みを作っておくことで、初めて「本当にデータ活用が浸透している」と言えます。
このセクションでは、実際に業務とデータを融合させて、シームレスにデータを仕事で使うための5つのポイントをご紹介します。
なお、この記事は「データ活用を成功させるために抑えるべき6つのポイント」というコンテンツの3つ目の記事で、当コンテンツは以下の記事で構成されています。
現在の業務とデータ活用の融合
データ活用は、どのような業務でも大なり小なり発生します。そのため、データ活用は日常的な業務で活用する、という考え方を持つことが重要です。
つまり、各業務データやAIの活用・導入を考える際は、情シスのように切り分けた組織で独立した動きを取るのではなく、各部署からメンバーを選出したり、各業務に対する理解を持ったメンバーで推進することが理想だと言えます。
現在の業務とデータ活用を融合させる上で、以下の4点を抑えられることがベストです。一つずつご紹介します。
- 攻めと守りのバランスを考慮する
- 各部署のメンバーでデータチームを編成する
- KPIの設定と進捗管理を徹底する
- 社内での成功事例の共有とセルフサービス推進
攻めと守りのバランスを考慮する
事業部ごとに異なる目標があるため、攻め(オフェンス)と守り(ディフェンス)のバランスを取ることが非常に重要です。
それぞれの部署の目的を達成できるバランスが取れたデータ活用が、理想的な活用形態と言えます。
例えば、営業部門では売上予測などの攻めの戦略が求められますが、財務部門ではリスク管理といった守りの戦略が重視されます。時には、活用するデータの数字やデータ元が同じで、データの保管方法やデータのアクセス権限の考え方で意見がぶつかることもあります。
それぞれの部署の目標に合わせたデータ戦略を組み立て、それに沿った業務フローを策定することで、従業員に浸透しやすいデータ活用の実現ができっます。
データチームの編成方法を検討する
データ活用を推進する際、各部署の業務を理解しているメンバーを交えてデータ活用の方法を推進することがおすすめです。
まず、データ活用を進める際、中央集約型で推進する方法と、分散型で推進する方法があります。中央集約型だと、データ推進をする専門のチームを作り、データ活用の推進以外の業務は極力行わないことが多いです。
一方で、分散型だと、データ活用専門部隊はおらず、業務を兼任することになります。
整理すると、以下の通りです。
中央集約型 | 分散型 | |
---|---|---|
概要 | データ分析を専任チームや部門(例:データサイエンス部門、IT部門)に集約して推進。 | 各部署のメンバーが自らデータ分析を行い、部門ごとに推進。 |
メリット | – データ活用の統一された方針やガバナンスを確立しやすい。 – スキルの高い専門家を集中させることで、高度な分析が可能。 – 重複作業の削減や効率的なインフラ利用が可能。 | – 各部署の現場感覚を活かした迅速な意思決定が可能。 – 各部門が独自の課題に特化した分析ができる。 – 社内全体でデータリテラシーが向上する可能性。 |
デメリット | – 現場とのコミュニケーション不足により、実際のニーズとズレた分析が行われる可能性。 – 各部門の即応性が低下する可能性がある。 – データ活用を推進するための初期投資が大きくなる場合がある。 | – 部署ごとに分析方法や使用ツールがバラバラになり、統一感がなくなる。 – 専門知識の不足により、分析の質が低下する可能性。 – インフラの重複投資が発生する可能性がある。 |
適した状況 | – 高度で統一的なデータガバナンスが必要な場合。 – 大規模な組織でデータの複雑性が高い場合。 – 高度な分析技術や専門家が必要な場合。 | – 各部署が個別の課題を迅速に解決する必要がある場合。 – 部門ごとの独自性が重視される場合。 – 小規模な組織やリソースが限られている場合。 |
データ活用をサポートするためのチーム編成も慎重に考える必要があります。中央にデータチームを集約するか、各部門に分散させるかによって、得られるメリットが異なります。
す。
組織の規模や状態にあわせて、適した導入方法を選ぶことがおすすめです。
社内での成功事例の共有とセルフサービス推進
データ活用の成功事例や進捗を社内で共有することで、全社員がセルフサービスでデータを活用できる環境を整えることを目指せます。
セルフサービスでデータを活用するとは、文字通り、各社員自らデータを分析して、意味を取り出せる、もしくはそれらの情報にアクセスできることを刺します。
データチームだけがデータを扱うと分析ノウハウが事業部や部署に浸透せず、データ活用文化がいつまでも進みませんが、社員全員がデータを容易に活用できる環境が整えば、意思決定のスピードが上がり、全体の業務効率も向上します。
活用するイメージを社員にもってもらうためにも、社内で成功事例を積極的に共有していく必要があります。
KPIの設定と進捗管理を徹底する
データ分析の進捗をKPIとして設定することで、データ活用の推進を確実に進めることができます。
特に、新しいことを始める際、思うように進捗状況が進まないと「なあなあ」になりがちです。進捗管理をしないと「ちょっと後に回そうか」と言われて放置されるようになり、結果的にデータ活用の動きが止まってしまうこともあります。
KPIを設定することでそんな状況になることを防ぎ、確実にデータ活用の体制と環境を整えられます。
また、データ活用を進める場合は、自社内で進める必要はありません。むしろ、すべて自社内で進めようと思うとハードルが高く、途中で挫折してしまう可能性が高いです。
テクトラのようなパートナー企業と組んで、確実にデータ活用のプロジェクトを進めることがおすすめです。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
ここまで、データ活用を推進する上で抑えておきたい4つのポイントをご紹介しました。
これらのポイントを押さえることで、貴社に適した形でデータ活用を進められるはずです。
次のセクションからは「データの守り」についてご紹介します。
データ活用に使用するデータは、分析しやすい形で、高いセキュリティレベルで管理されている必要があります。
データが不正確であれば分析結果も精度が低い上、セキュリティが脆弱なデータベースからデータが流出してしまっては、企業としての信頼問題につながってしまいます。
次のページでは、データの管理と信頼性の担保についてご紹介しますので、ぜひ読み進めてください。